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ちきゅうをまもろう!!!  ~☆~☆~地球防衛団~☆~☆~

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先日、お世話になっているドイツワインのインポーターさんの試飲会があり、

面白いワインがありましたので、さっそくご紹介したいと思います。

 

AUFTAKT (アウフタクト)

ドイツ ファルツ 『ソーヴィニャー・グリ』

 

ドイツでソーヴィニョン系は珍しいと思い、

グリということは、ソーヴィニョン・ヴェールやソーヴィニョンナスの様な亜種、またはシノニムなのかな?

と思い飲んでみました。

 

うん、確かにソーヴィニョンの様なグレープフルーツやグースベリー。

グラッシーなトーンにややピーマンの様なベジタルな香り。

なるほど、なるほど、と思い、よく見てみると、、、

 

『ソーヴィニョン』ではなく『ソーヴィニャー』とあります、、、

 

ん?これはなんぞや?と調べてみると

『カベルネ・ソーヴィニョン』と『ブロナー』の交配品種とのことで、

この生産者以外ではあまりお目にかかれない品種で、

試行錯誤の末、ようやくリリースにこぎつけたワインとのことでした。

 

さて、皆さんは『PiWi品種(ピーヴィーひんしゅ)』というものをご存じでしょうか?

あまり耳にしない言葉だと思いますが、

『Pilzxiderstandsfaehige Resorten』というドイツ語の略で

いわゆるハイブリット品種のことです。

 

近年、環境への取り組み、そして、

その事業を継続的に続けられるように環境へ配慮する取り組み『SDGs』への関心が高まっています。

 

ワイン業界でもこの流れは同じで、また別の流れとして、

かつての大量生産・大量消費の為の化学肥料・農薬の乱用に対する反動や健康志向も合わさり、

有機農法や自然派ワインへの世間の関心も高まっています。

 

しかし自然派ワインといっても様々で、明確な定義が確立されていないのが実態です。

例えば、栽培プロセスでいうと、ビオディナミ農法のものや有機農法のもの。

醸造過程でいうと酵母は野生酵母で、亜硫酸を添加しない、または極力抑えるもの

そして、人手の介入を極力抑えるものから、全くしないものまで。

企業の取り組みとしては自然を大切にする、環境保全に取り組んでいるなどです。

広い意味で考えるとリュット・レゾネの様に

ワイン産業がその土地で持続可能である様、自然環境に配慮する農法も当てはまると思います。

 

しかし、農薬をバンバン使っていても

野生酵母を使って醸造プロセスにおいてほぼ介入しなければ

自然派とも言えてしまいます。

また、ビオディナミや有機農法でも一定量を認可されている毒性のある銅を含むボルドー液使っており、

環境保全に取り組む生産者と同列の、大きなくくりでの同じ自然派と呼ばれてしまうという問題も抱えてます。

 

なぜこの様なことになってしまったかというと、ある醸造家の方が面白いことを述べていました。

日本語の『自然』と英語の『NATURE』の意味の相違が、

この様な、異なるものを同列にしてしまう一因になっているというものです。

 

明治維新後、多くの外国語が日本に入ってきて、翻訳という作業がなされました。

まず、木や山の様に1対1に当てはまるものはそのまま訳されました。

さらに、コーヒーやビールの様に日本語にないものには新たに言葉が作り出されました。

そして、若干ニュアンスは異なるけど、似ている言葉があるのものは似ている言葉を当てはめました。

 

先ほど出ました『自然』、これは1番目と思いきや実は3番目に当たります。

 

日本語の『自然』には森や山、川の様なものの他に

『自然体』の様な『手を加えない様』や『そのまま』の様な意味合いも持ちます。

英語において『NATURE』は日本語と同じく森や山、川の意味も持ちますが、

元となっているのが『神様が創ったもの』というもので

『NATURE』の反対語は『ART』すなわち『人間が造ったもの』になります。

この為、自然をリスペクトするワインから、全く手を加えないハンズオフの極みの様なワインまで、

場合によっては正反対なプロセスを経ていても

同じ『自然派ワイン』としてまとめられてしまった、とのことでした。

 

確かにこの様に『自然派ワイン』ではなく

『VIN NATURE』

と横文字に直すと、どの様なものかを理解しやすいなと感じました。

 

さて、話を戻しますが、この『PiWi品種』、

アメリカ原産ブドウ『ラブルスカ系』のブドウが交配されている為、

フィロキセラ耐性耐寒性の他、カビや真菌耐性に優れているという特性があり、

農薬やボルドー液散布の量を減らすことの出来ます。

 

このワイン『自然派ワイン』ではありませんが

『地球環境に優しいワイン』

であることに間違いありません。

以前はラブルスカ系品種から造られたワインは

『フォクシーフレーバー』『バブルガムフレーバー』と呼ばれる

独特のグレープジュースやバブルガムの様なフレーバーが強かったのですが、

近年は改良され、その香りも抑えられ、欧州品種にも劣らない高品質なワインが造られています。

 

この様な視点から地球環境を考える、そんな生産者をBELON渋谷で応援してみませんか?

 

                      Par UTPN

 

 

 

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